テクノショップ ファシリティーガイド

空調設備(含シートシャッター)

  • 年間を通じて快適な作業環境を保つためには、全館空調の導入が必要です。
夏は涼しく、冬は温かい環境になるよう、適切な能力の冷暖房設備とシートシャッターなどの外気遮断設備の導入をご検討ください。
  • 最新の暑さ対策事例はサービス基盤Webのエンジニア採用・定着コンテンツ集もあわせてご確認ください。
サービス基盤Web 新・エンジニア採用・定着ホームページ『労働環境』内の「既存整備工場の暑さ対策」「【紹介・事例】シャッター導入編」をご確認ください。

空調導入の考え方

 

空調導入の考え方

全体的な考え方

  • 空調設備は、エンジニアの安全確保や作業効率の向上などを図る「快適な作業環境づくり」に欠くことのできないアイテムです。
  • 年間を通じて快適な作業環境を保つためには、全館空調の導入が必要です。
  • 快適性、省エネ、低CO2、熱中症対策等、環境変化対応項目を重点に、各要素のバランスが取れた空調設備の導入を図ります。
検討要素
環境変化対応項目
既存対応項目
作業性・快適性
への配慮
  • 風の利用:換気、送気、体感温度
  • 作業性を損わない配置、設置スペースの確保
  • 十分な冷暖房能力性能
    :年間を通じて快適な温度環境の確保
最適な空調方式・
能力の選定
  • 省エネ対応:方式、レイアウト
  • 低CO2対応:燃料種別
  • 電力基本料金(デマンド)低減
    :電力使用量の効率化
  • 周辺環境:地域性、立地条件
  • レイアウト:出入口、作業位置
  • 規模・稼働率:スペース、人員など
  • 建物の仕様:構造、形態、材質
  • コスト、効率
安全面・健康面
への配慮
  • 熱中症対策:体感温度、作業負荷
  • 排気ガス対策(CO濃度)
  • テクノショップ内の換気方法
  • 冷暖房機器の位置、角度の考慮
  • 可燃性物質などの位置の考慮
  • 定期的な保守、点検の実施
法的規制の遵守
  • 改正省エネ法対応
    平成21年度の企業全体の年間エネルギー使用量が「1500kl」の場合は、「エネルギー使用状況届出書」を所轄の経済産業局に提出
  • 労働基準法:環境衛生上の規制
  • 労働安全衛生法:環境衛生上の規制
  • ビル衛生管理法:環境衛生上の規制
  • 建築基準法:空調による室内環境の規制
  • 消防法:少量危険物取扱い
テクノショップ内の
美観の確保
  • フレキ、ダクトの極力廃止
  • 天井、内壁、床との調和
  • カラー設計の考慮 

WBGT(湿球黒球温度)を活用したテクノショップ空調

 
  • WBGTは熱中症予防に用いられる指標です。新設店舗の空調設備導入や既存店舗の作業環境改善にもこの考え方を活用することにより、安全衛生面の確保に加えて快適で働きやすい環境整備を行うことが可能です。
  • テクノショップ内のWBGTを確認することで夏期の空調環境状態を把握することが可能となります。WBGTを活用し、快適な作業環境となるよう最適な空調設備導入をご検討ください。

 
  • 下記写真のような、簡易的な測定器で計測が可能です。

対応ポイント

シートシャッターを設置して、外気/風をシャットアウトすることが重要です。

 

冷暖房機器一覧

区分
種類
特徴
外観イメージ
冷暖房機器
室外機
空冷ヒートポンプ
エアコン
(EHP)
[共通]
〇構造がシンプル
〇メンテナンスが容易
〇使用エネルギーが電気・
 ガスのため、管理が容易
〇運転操作が簡単
✕寒冷地においては暖房能力が大きく低下
✕電気容量に余裕のないテクノショップでは、
 受電容量の変更を必要とする
ガスヒートポンプ
エアコン(GHP)
〇冬期の運転が安定
〇暖房運転時の立上がりが早い
✕ガス配管工事が必要
室内機
天井吊型
(通称:天吊り)
〇工事が容易
〇風量・風向変更やスイングが可能な機種多い
〇風量が強く、風を感じやすい
✕室内機真下には風が届かない
天井埋込ダクト型
(通称:天埋め)
〇様々な吹出口が選択できる
〇本体のみの露出設置で天吊り室内機としても使用可能
✕室内機本体のみだと風向変更やスイング機能が無い
吹出口
吹出口のスイング(自動)で作業者の活
領域に合わせた快適な作業空間を作ること
が可能
空調ダクトに取り付けて使用する局所空調
用ノズル。吹出し角度を自由に調節可能
可動羽根が縦、横にあるため、より有効な
冷暖房効果が得られる。また、シャッター
付きのため、風量調節が可能
天井カセット型
(通称:天カセ)
〇天井がすっきり仕上がる
〇風量・風向変更やスイングが可能な機種多い
✕風量は強くなく、風は感じにくい
大風量スポット
エアコン
(バズーカ系、
エリア空調機など)
〇風量が強い
〇室内機の奥行きが薄いので壁に寄せた設置が可能
✕室内機真下や出口周辺下側には風が届かない
✕風量コントロール機能少なく、暖房効果は弱い
✕取扱いメーカーが限られ、室外機とセット購入が必要

暖房機器一覧

区分
種類
特徴
外観イメージ
暖房機器
温風暖房機
〇立上がりが早い
〇構造がシンプル
✕煙突、排気筒などの工事が必要
✕暖房炉設置時、床に機器設置スペースが必要
[FF方式]
[ぺリメーター暖房方式](推奨仕様)
専用ノズルから高温風を吹出すことにより、侵入する冷気を暖め、室内の上下温度差が少ない、省エネルギーと快適な暖房が両立できるシステム
遠赤外線ヒーター
[共通]
〇開放空間での暖房
 が可能
〇立ち上がりが早い
[電気式]
✕灯油焚式、またはガス焚式と
 比較すると暖房範囲が狭い
[電気式]
電気ヒーターによって遠赤外線を出す方式
内部発熱体をステンレスなどの金属管でカバーしたもの
[ガス焚または灯油焚]
✕消防署への届出が必要となる
 場合あり(少量危険物に該当
 する場合あり)
✕燃焼・排気配管工事が必要
✕燃料タンクが必要(灯油)
✕ガス焚の場合は、ガス配管が
 必要
✕灯油焚の場合は、燃料タンクが
 必要
[ガス焚または灯油焚]
灯油またはガスを燃焼させ、燃焼ガスを放射管へ通すことで遠赤外線を出す方式

換気機器一覧

区分
種類
特徴
外観イメージ
換気
有圧換気扇
〇滞留熱を排出することで、冷房機器の効率を
 上げる効果が期待できる
〇オイルミストなどの汚染物質を清浄な空気に
 より希釈できる
✕屋外側に雨除けフードを設置するため、外観
 上問題の無い面に設置する必要がある
全熱公開器
〇排気と外気を熱交換し、室内に供給する
 ため、直接外気を導入するよりも快適で
 省エネである
✕有圧扇と比べ風量が小さい
✕全体冷暖房を行っているテクノショップに
 しか適用できない

送風機器一覧

区分
種類
特徴
外観イメージ
運用
送風機器
搬送ファン
〇ダクトレスなので天井や壁に直接設置
 できる
〇換気を効率的に行える
〇気流の力によって、滞留熱・ミスト
 などを排気ファンへ誘導できる
✕屋外側の機器は、美観を考慮したレイ
 アウトが必要
工場内の快適環境を保つために、建屋内で発生する熱気・臭気・油煙などを、効率良く換気していくことが必要になります。
エアー搬送ファンと有圧換気扇を併せて換気を行うと建屋内の換気を効率よく実現できる。
[夏期]
上部に滞る熱気を効率よく外へ排出
[冬期]
上部に滞る熱気を効率よく外へ排出
中・大規模
テクノショップに
適する
送風ファン
〇風の到達距離(約10m)が長いため、
 ファン直線上のどこでも風を感じら
 れる
〇全体を冷却するのではなく、作業場所
 に空気の流れを作り、体感温度を下
 げる
全タイプの
テクノショップに
適する

シートシャッター 一覧

種類
特徴
サイズ
シート材質
開閉
厚さ(mm)
イメージ
その他
自動シート
シャッター
〇開閉速度早い
〇センサーによる自動開閉可能
〇外気遮断が容易
〇不透明シート選択により西日対策可能
✕間口上部にシート巻取り部スペース必要
一般的な目安
  • 高さ=~6m
  • 幅=~10m(最大13m)
メーカーや機種によって異なる
ポリエステル/
塩化ビニル
電動センサー
感応式スイッチ
0.5~1.0程度
耐用
 自主点検
 ■国内主要メーカー(ブランド)
 小松電機産業(門番)
 三和シャッター(クイックセイバー)
 ユニフロー(スムーザー)
 鈴木シャッター(スムーザー:ユニフローOEM)
 文化シャッター(大間迅)(スムーザー:ユニフローOEM)
 ワールド工業(ロールウエイ)幅13m以上も特注可能 
手動カーテン
シャッター
〇外気遮断が容易
〇間口上部はレールのみの為、スペース不要
〇間口幅上限無く、開き方法等の自由度高い
〇下レールも取付可能
〇不透明シート選択により西日対策可能
✕手動開閉必要
✕間口横側に格納スペースが必要
  • 高さ=~4.5m
  • 幅=無限大(最大m)
ポリエステル/
塩化ビニル
手動
横開き
0.4~0.7程度
■国内主要メーカー(ブランド)
スガモトテント(アペリア)
 
シートシャッター後付け設置 検討フロー例
 
主要メーカーの屋外用シートシャッター幅4m以上対応製品を抜粋、最新情報・詳細情報は各社HP参照
メーカー名​
/商品名
電動シートシャッター
手動スライドカーテン
小松電機産業​
/門番
三和シャッター工業​
/クイックセーバー
ユニフロー​
/スムーザー
鈴木シャッター​
/快速王
文化シャッター​
/スムーザー
文化シャッター​
/大間迅
ワールド工業​
/ROLLWAY
スガモトテント​
/アぺリア
シャッター​
格納方法​
上部ユニットへの巻取り
シート下部からの
巻上げ​
左右への​
折りたたみ​
最大設置寸法
(幅)
10.0m​
8.0m​
設置条件によっては​
10m可
10.0m​
8.0m​
13.0m​
13m以上も
オーダー可​
制約なし
最大設置寸法
(高)
6.0m
5.5m​
6.0m​
6.0m​
幅6m以上は高さ5m
6.3m​
5.0m​
シート生地色​
半透明:
クリア/橙​
不透明:各色​
半透明:
クリア/橙/赤​
不透明:橙​
半透明:クリア/橙​
不透明:グレー(カタログ記載無いがオーダー可)
半透明:無し​
不透明:各色​
半透明:各色​
不透明:各色
半透明:クリア​
不透明:各色​
シート内蔵
パイプフレーム
有り
有り
有り
無し​
幅6m以上は下端パイプ
のみOP設定有
有り
縦型​
アルミフレーム
備考
 
 
 
ユニフロー
/スムーザーのOEM​
ユニフロー
/スムーザーのOEM
 
間口高さ省スペース
対応(フロントボックス
タイプ)有​
トヨタ販売店向け​
専用サイト有り

pw:toyota-aperire
リンク先

設置上のポイント・留意点

エアコン(空冷ヒートポンプ・ガスヒートポンプ)

室外機
  • 運転効率を考慮し、風通しがよく、直射日光が当たらない場所/向きに設置します。また、工事費抑制のため、冷媒配管の長さができるだけ短くなる場所を選びます。
  • 近くに隣家がある場合は、運転音が隣家の迷惑にならないよう配慮します。
  • 降雪地域では、防雪対策も検討します。

室内機・全熱交換器・その他
  • 空気の流れを均一化し、全体を冷[暖]房できるよう室内機は均一に配置します。
  • 結露防止のため、冷媒配管に断熱材を施します。
  • 室内機の保守用に、天井に点検口を設けます。

日常の保守
室内機・全熱交換器のフィルター清掃頻度:1回/2週間~1ヶ月
※清掃頻度は、使用条件により異なります。なお、ボデーショップでは、清掃頻度を多めに設定します。

送風ファン・換気ファン・エアー搬送ファン

送風ファン
  • ストール前方の天井に吊り下げ(3m程度が望ましい)、作業者に向くよう設置します。
  • 車両リフトアップ時など、支障をきたさない位置に設置します。

換気ファン
効率的な換気を行うため、出入口から離れた熱気の溜まりやすい位置に設置します。

エアー搬送ファン
  • 換気ファンの設置場所に向けて取り付けます。(上部に溜まった熱気を、換気ファンに搬送。)
  • 冬季は下向きで使用することにより、熱気・暖房気流を下に搬送。

遠赤外線ヒーター(電気・灯油・ガス)

遠赤外線は直進するためヒーター取り付け位置は、作業者を直接暖める位置に設置します。

電気式
作業者との距離は、暑すぎず、寒すぎない位置(2m前後)に設置します。
※機種により異なりますので、設置位置は各メーカーにお問い合わせください。
灯油・ガス式
機体の表面温度が高温となり、取り付け位置に制約を受けるため注意が必要です。

 
  1. 機器が災害の発生源にならないことが要求されるため、避難口から5mの範囲には設置しない。
  2. 熱放射方向の本体近くにある電気配線・蛍光灯など高温に加熱されると機能低下をきたす構造物、または装置のある場所には、放熱板等により有効な遮蔽措置を講じること。
  3. 機体は、熱膨張による伸縮に対し、逃げのある据付方法であること。
  4. 機体は、容易に維持管理できるよう点検空間を設けること。

燃焼設備の保守点検を、定期的に実施します。
※点検時期は機種により異なりますので、各メーカーにお問い合わせください。